伊東温泉は、静岡県伊東市の中心部に広がる伊豆半島東海岸を代表する温泉地です。JR伊東駅から海岸方面へ温泉街が続き、旅館やホテル、共同浴場、飲食店、土産店がまとまっているため、電車旅でも歩いて楽しみやすいのが魅力です。
源泉数と湧出量に恵まれた温泉地として知られ、古くから湯治場、保養地、海辺の観光地として親しまれてきました。熱海ほど都市的すぎず、伊豆高原ほどリゾート色に寄りすぎない、ほどよい温泉街らしさが伊東温泉の持ち味です。
日帰り入浴で共同浴場を巡る旅にも、海の幸を味わいながら旅館でゆっくり過ごす宿泊旅行にも向いています。温泉、海辺の散策、歴史ある建築、伊豆高原方面の自然観光を組み合わせやすく、初めて伊豆を訪れる人にも計画しやすい温泉地です。
伊東温泉とは
伊東温泉は、静岡県伊東市の市街地を中心に広がる温泉地です。伊東市は伊豆半島の東海岸に位置し、相模灘に面した温暖な気候と、山・海・温泉が近い地形に恵まれています。
温泉街の中心はJR伊東駅周辺から松川沿い、伊東オレンジビーチ周辺にかけてのエリアです。駅から徒歩圏内に宿泊施設、飲食店、共同浴場、観光案内所、文化施設が点在しており、車がなくても動きやすいのが大きな特徴です。
伊東温泉は、全国的に見ても湯量の多い温泉地として知られています。市街地の中に複数の源泉があり、旅館やホテルだけでなく、昔ながらの共同浴場でも温泉文化を感じることができます。温泉街としての規模は大きい一方で、松川沿いには昭和の面影を残す建物や遊歩道があり、落ち着いた湯の町情緒も残っています。
観光の面では、東海館、松川遊歩道、伊東オレンジビーチ、道の駅伊東マリンタウンなどが市街地から訪れやすく、少し足を延ばせば大室山、城ヶ崎海岸、小室山、一碧湖など伊豆らしい自然景観も楽しめます。温泉だけで完結するのではなく、伊豆観光の拠点として使いやすい温泉地といえるでしょう。
伊東温泉の歴史と文化
伊東温泉の歴史は古く、発見は平安時代、あるいはそれ以前とも伝えられています。古くから湯治場として親しまれ、江戸時代には徳川三代将軍・家光に湯治湯として献上された温泉としても知られています。
将軍家へ湯を届けたという話は、伊東温泉の歴史を語るうえでよく紹介される逸話です。伊東の湯は樽に詰められ、船で江戸へ運ばれたと伝えられています。こうした歴史から、伊東温泉は単なる海辺の行楽地ではなく、古くから温泉そのものに価値が置かれてきた土地であることがわかります。
また、伊東は文人墨客に愛された温泉地としても知られています。温暖な気候、海と山の眺め、静かな温泉街の空気は、文学者や芸術家が滞在する場所としても魅力がありました。市内には文人ゆかりの記念碑や、温泉文化を伝える建物が残り、温泉と文化が重なり合う町の雰囲気を感じることができます。
その象徴的な存在が、松川沿いに建つ「東海館」です。昭和初期に温泉旅館として開業した木造建築で、現在は観光・文化施設として公開されています。川沿いにたたずむ外観、木造旅館らしい意匠、館内展示からは、かつての伊東温泉が保養地としてにぎわった時代の空気が伝わってきます。
泉質とお湯の特徴
伊東温泉の泉質は、単純温泉や塩化物泉系の湯が中心とされています。施設ごとに源泉や成分は異なるため一概には言えませんが、全体としては刺激が比較的少なく、入りやすい湯として紹介されることが多い温泉地です。
単純温泉は、成分が極端に濃すぎず、さらりとした湯ざわりを感じやすい泉質です。温泉に慣れていない人でも入りやすく、家族旅行や年配の方との旅行にも選びやすい面があります。塩化物泉系の湯は、一般に湯冷めしにくい泉質として紹介されることがあり、入浴後に体が温まる感覚を持つ人もいます。
ただし、温泉の感じ方には個人差があります。湯温、入浴時間、体調、季節によっても印象は変わります。効能を過度に期待するのではなく、温泉地の雰囲気や入浴そのものを無理なく楽しむことが大切です。飲酒後や食後すぐの入浴、長湯は避け、入浴前後の水分補給を心がけると安心です。
伊東温泉では、旅館やホテルの大浴場、共同浴場、日帰り温泉施設など、さまざまな形で湯を楽しめます。施設によって源泉かけ流し、循環、加水、加温の有無は異なるため、こだわりがある場合は宿泊施設や入浴施設の案内を事前に確認しておくとよいでしょう。
温泉街・日帰り入浴の楽しみ方
伊東温泉を日帰りで楽しむなら、まずは伊東駅周辺から松川沿いを歩くコースがわかりやすいでしょう。駅から温泉街へ向かい、松川遊歩道、東海館、共同浴場、商店街、海辺を組み合わせると、半日でも伊東らしい雰囲気を感じられます。
伊東温泉には「七福神の湯」として親しまれる共同浴場があります。地元の人の生活に根ざした公衆浴場でありながら、観光客も利用できる施設があり、温泉街の日常に触れられるのが魅力です。湯川弁天の湯、恵比寿あらいの湯、毘沙門天芝の湯など、それぞれに立地や雰囲気が異なります。
共同浴場は、観光施設というよりも地域の生活の場としての性格が強い場所です。利用する際は、洗い場で体を洗ってから湯船に入る、タオルを浴槽に入れない、大声で話さないなど、基本的な入浴マナーを守ることが大切です。営業時間、料金、定休日は変更されることがあるため、訪問前に最新情報を確認しておきましょう。
東海館も、伊東温泉らしい日帰りスポットです。館内見学で昭和の温泉旅館建築を楽しめるほか、営業日には入浴を楽しめる場合があります。木造建築の雰囲気、松川沿いの景観、レトロな浴場が重なり、伊東温泉の歴史を感じられる場所です。
海沿いで気軽に温泉を楽しみたい場合は、道の駅伊東マリンタウン内の温浴施設も選択肢になります。海を眺める立地で、ドライブ旅行や伊豆観光の途中に立ち寄りやすい施設です。共同浴場とは雰囲気が異なるため、昔ながらの温泉街を感じたい人は共同浴場、設備の整った日帰り施設を利用したい人は大型施設というように、旅の目的で選ぶとよいでしょう。
周辺観光とあわせて楽しむ
伊東温泉の魅力は、温泉街の中だけでなく、周辺観光と組み合わせやすいところにもあります。市街地に宿を取り、日中は伊豆高原方面や海岸線を巡り、夕方に温泉へ戻る旅程が組みやすい温泉地です。
温泉街周辺では、松川遊歩道の散策がおすすめです。松川沿いには東海館などの歴史ある建物があり、昼は落ち着いた川沿い散歩、夜は灯りに照らされた温泉街の雰囲気を楽しめます。季節によっては桜やイベントもあり、短い散策でも伊東らしい情緒を感じやすい場所です。
海辺では、伊東オレンジビーチやなぎさ公園周辺が訪れやすいスポットです。駅からも比較的近く、海を見ながら歩きたい人に向いています。夏は海水浴、春や秋は散歩、冬は穏やかな海辺の景色を楽しむなど、季節ごとに過ごし方が変わります。
自然景観を楽しむなら、大室山、城ヶ崎海岸、小室山、一碧湖が代表的です。大室山は伊東・伊豆高原を象徴する山で、山頂からの眺望が魅力です。城ヶ崎海岸は溶岩によって形づくられた荒々しい海岸美が見どころで、つり橋や遊歩道を歩きながら伊豆半島らしい景観を楽しめます。小室山はつつじの名所として知られ、季節の花と展望を楽しむ場所として人気があります。一碧湖は落ち着いた湖畔散策に向いており、温泉街のにぎわいとは違った静かな時間を過ごせます。
歴史や文化に関心がある人は、東海館、木下杢太郎記念館、音無神社などを組み合わせると、伊東温泉が単なる入浴地ではなく、文化の蓄積を持つ温泉地であることが見えてきます。温泉、海、文学、建築、自然を一度の旅で味わえるのが伊東温泉の奥行きです。
名物グルメと温泉街の過ごし方
伊東温泉を訪れたら、食事も旅の楽しみです。伊東は海に面した温泉地のため、地魚、干物、金目鯛、刺身、海鮮丼など、海の幸を味わいやすい土地です。旅館の夕食では、伊豆の魚介を中心にした会席料理や舟盛りを楽しめる宿も多くあります。
日帰りや素泊まりの場合は、駅周辺や温泉街の飲食店を利用するのもよいでしょう。海鮮料理店、和食店、居酒屋、喫茶店、土産店などがあり、温泉街散策と食事を組み合わせやすいエリアです。伊豆らしい干物やわさび関連商品、みかんを使った菓子、温泉まんじゅうなどは、土産選びにも向いています。
道の駅伊東マリンタウンは、食事、買い物、日帰り温泉をまとめて楽しみやすい施設です。車で訪れる場合は、旅の行き帰りに立ち寄ると便利です。一方で、昔ながらの温泉街らしさを味わいたい場合は、駅前商店街や松川周辺をゆっくり歩き、個人店や喫茶店に立ち寄る過ごし方もおすすめです。
伊東温泉では、予定を詰め込みすぎず、午前は周辺観光、午後は温泉街散策、夕方から宿で入浴という流れにすると、温泉旅行らしい余白を楽しめます。夜に松川沿いを歩いたり、宿で海の幸を味わったりする時間も、伊東温泉らしい旅の一部です。
日帰りと宿泊、どちらで楽しむか
伊東温泉は、日帰りでも宿泊でも楽しみやすい温泉地です。首都圏からのアクセスが比較的よく、駅から温泉街まで歩きやすいため、日帰り温泉旅行の目的地としても利用できます。共同浴場や東海館、松川散策、海辺の散歩を組み合わせれば、短時間でも温泉地らしさを味わえるでしょう。
【楽天トラベル】伊東温泉の宿・ホテルを探す一方で、伊東温泉の魅力をしっかり感じるなら宿泊がおすすめです。夕方以降の松川沿いの雰囲気、旅館での夕食、朝風呂、早朝の海辺散歩は、日帰りでは味わいにくい時間です。特に、温泉そのものをゆっくり楽しみたい人、海の幸を味わいたい人、伊豆高原や城ヶ崎海岸まで観光したい人は、1泊すると旅程に余裕が生まれます。
日帰りは「温泉と街歩きを短く楽しむ旅」に向き、宿泊は「温泉、食事、周辺観光を組み合わせる旅」に向いています。東京方面から訪れる場合でも、伊東に1泊すれば翌日に伊豆高原方面へ足を延ばしやすく、伊豆旅行全体の満足度を高めやすくなります。
泊まるならどのエリアが便利か
伊東温泉で宿を選ぶときは、旅の目的に合わせてエリアを考えると失敗しにくくなります。
初めての伊東温泉旅行や電車旅なら、伊東駅から松川周辺、海岸方面にかけての市街地エリアが便利です。駅から徒歩またはタクシーで移動しやすく、飲食店や共同浴場、東海館、海辺の散策にも出かけやすい立地です。車を使わずに温泉街を楽しみたい人には、中心部の宿が向いています。
海の景色を重視するなら、海岸沿いや高台の宿も候補になります。客室や大浴場から相模灘を眺められる宿であれば、海辺の温泉地らしい開放感を味わえます。ただし、駅から距離がある場合もあるため、送迎の有無やタクシー利用のしやすさを確認しておくと安心です。
静かに過ごしたい場合は、市街地中心部から少し離れた宿や、伊豆高原方面の宿も検討できます。伊東温泉街の利便性よりも、自然の中でゆっくり過ごすことを重視する人に向いています。一方で、夜に飲食店を歩いて探したい人や、共同浴場を巡りたい人は、駅周辺・松川周辺のほうが便利です。
宿選びでは、温泉の泉質や浴場の雰囲気だけでなく、食事、眺望、駅からの距離、駐車場、日帰り観光との相性を確認するとよいでしょう。伊東温泉は宿の選択肢が幅広いため、豪華な旅館、気軽なホテル、家族向けの宿、ひとり旅向けの宿など、目的に合わせて選びやすい温泉地です。
【宿泊リンク挿入目安:伊東温泉の旅館・ホテルを比較する】
アクセス・行き方
伊東温泉の最寄り駅はJR伊東駅です。東京方面からは、特急踊り子を利用して乗り換えなしで向かう方法があります。新幹線を利用する場合は、東京駅から熱海駅まで東海道新幹線で移動し、熱海駅からJR伊東線で伊東駅へ向かうルートが一般的です。
熱海駅から伊東駅まではJR伊東線で移動でき、伊東駅に到着すれば温泉街中心部までは徒歩圏内です。宿によっては駅から送迎を行っている場合もあるため、荷物が多い場合や高台の宿を利用する場合は、事前に確認しておくとよいでしょう。
車で訪れる場合は、東京方面から東名高速道路、小田原厚木道路、国道135号を経由して熱海方面から伊東へ向かうルートが利用されます。海沿いの国道135号は景色がよい一方で、休日や行楽シーズンは渋滞しやすい区間もあります。伊豆スカイラインや内陸側のルートを組み合わせる選択肢もありますが、天候や季節によって走りやすさが変わるため、出発前に道路状況を確認しておきましょう。
伊東市内の観光では、駅周辺と温泉街は徒歩で動きやすい一方、大室山、城ヶ崎海岸、小室山、一碧湖などへ行く場合は、バス、タクシー、レンタカーを組み合わせると便利です。公共交通で巡る場合は、バスの本数や最終時刻を事前に確認しておくと安心です。
旅行前に確認しておきたいこと
伊東温泉へ出かける前には、日帰り入浴施設や共同浴場の営業時間、定休日、料金を確認しておきましょう。共同浴場は地元利用者のための施設でもあるため、観光客が利用できる時間や休業日が変わることがあります。東海館の入館や入浴についても、営業日や利用時間を事前に確認しておくと安心です。
宿泊する場合は、チェックイン時間、夕食の有無、駐車場、送迎、貸切風呂や露天風呂の利用条件を確認しておきましょう。特に車で訪れる場合、市街地の宿では駐車場の台数や場所が限られることがあります。大型連休、夏休み、花火大会、イベント時期は宿泊料金や混雑状況も変わりやすいため、早めの計画がおすすめです。
季節ごとの服装にも注意が必要です。伊東は比較的温暖な地域ですが、冬の朝晩や海沿いは風が冷たく感じられることがあります。夏は海水浴や屋外観光を楽しみやすい一方で、日差しが強くなります。大室山や城ヶ崎海岸など屋外を歩く場合は、歩きやすい靴、帽子、飲み物を用意しておくと快適です。
温泉入浴では、体調に合わせて無理のない入浴を心がけましょう。長湯を避け、入浴前後に水分を取り、飲酒後の入浴は控えることが大切です。持病がある場合や体調に不安がある場合は、無理をせず、必要に応じて医師に相談したうえで温泉を楽しむと安心です。
まとめ
伊東温泉は、豊富な湯量に恵まれた伊豆東海岸の代表的な温泉地です。JR伊東駅から温泉街へ歩きやすく、共同浴場、東海館、松川遊歩道、海辺の散策を組み合わせられるため、日帰りでも宿泊でも楽しみやすいのが魅力です。
歴史ある湯治場としての顔、昭和の温泉旅館文化を伝える建築、文人に愛された文化的背景、海の幸を味わえる食の楽しみ、伊豆高原方面への観光拠点としての便利さが重なり、伊東温泉は幅広い旅行者に向いています。
短時間で楽しむなら、共同浴場と松川散策を中心にした日帰り旅がおすすめです。ゆっくり過ごすなら、温泉宿に泊まり、夕食、朝風呂、周辺観光まで組み合わせると、伊東温泉らしい旅の満足度が高まります。
温泉街らしさを残しながら、海辺の開放感と伊豆観光の便利さを兼ね備えた伊東温泉。初めての伊豆旅行にも、何度目かの温泉旅にも選びやすい、懐の深い温泉地です。
参考情報一覧
- 伊豆・伊東観光ガイド「はじめての伊東温泉」
https://itospa.com/onsen - 伊豆・伊東温泉公式HP「伊東温泉の歴史と特徴」
https://www.ito.or.jp/history/ - 伊豆・伊東観光ガイド「伊東市公式の温泉情報はこちら!」
https://itospa.com/spa/index.html - 伊豆・伊東観光ガイド「伊東温泉観光・文化施設 東海館」
https://itospa.com/spot/detail_52002.html - 伊東市公式サイト「伊東温泉観光・文化施設 東海館」
https://www.city.ito.shizuoka.jp/gyosei/soshikikarasagasu/shogaigakushuka/bunka_supotsu/2/3/2375.html - 静岡県温泉協会「伊東温泉の特徴」
https://www.shizuoka-onsen.com/%E4%BC%9A%E5%93%A1%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E6%99%AE%E9%80%9A%E4%BC%9A%E5%93%A1/%E4%BC%8A%E6%9D%B1/ - 伊豆・伊東観光ガイド「アクセス」
https://itospa.com/access/index.html - 伊豆・伊東温泉公式HP「交通案内」
https://www.ito.or.jp/access/ - 伊豆・伊東観光ガイド「観光体験」
https://itospa.com/spot/index.html - 道の駅伊東マリンタウン「朝日の湯シーサイドスパ」
https://ito-marinetown.co.jp/seasidespa/
全国有数の温泉資源
「伊東温泉」は源泉数700本以上、毎分3万2千リットル以上の湧出量を誇る静岡県伊東市の温泉です。
別府、由布院、奥飛騨といった温泉地に次ぐほどの豊富な温泉資源があり、別府、由布院と並ぶ日本三大温泉です。
熱海温泉と共に伊豆を代表する伊東温泉は、伊東駅前から海岸方向に温泉街が広がり、宿泊施設は500軒以上ともいわれ、共同浴場も10軒程度あります。

熱海と並ぶ伊豆の代表的温泉
「伊東温泉」は伊豆半島東側の熱海温泉の南に位置する温泉で、伊東市は熱海市と同様に「国際観光温泉文化都市」に指定されています。
「国際観光温泉文化都市」の目的は「伊東国産観光温泉文化都市建設法」(昭和25年制定)によれば「国際文化の向上を図り、世界恒久平和の理想を達成するとともに観光温泉資源の開発によつて経済復興に寄与するため、伊東市を国際観光温泉文化都市として建設すること」とあります。
「国際観光温泉文化都市」に指定されたのは全国でも伊東市、熱海市、別府市、松山市といった少数の都市しかなく、熱海と同じく伊東がいかに温泉観光に重点を置いているのかがわかります。

徳川家光への献上湯
「伊東温泉」は慶安3年(1650年)に江戸幕府三代将軍徳川家光への「献上湯」を行った事で知られています。
「伊東温泉」の開湯は平安時代といわれ、江戸時代には既に温泉地として開かれていました。病気がちで療養を必要とした家光に温泉によって回復してもらおうと選ばれたのが「伊東温泉」の湯でした。
温泉の湯は樽に詰められて船で江戸まで運ばれ、家光は江戸城の浴室にてじっくりと「伊東温泉」の湯を堪能したようです。
温泉療養によって家光の容態は次第に回復し、温泉療養を勧めた顧問医師(典医)達を労ったとも伝えられています。
こうして「伊東温泉」の湯は将軍様の病を治した湯としてその効能の高さが評判となり、各地から湯治客が訪れるようになりました。
将軍様に献上を行った湯は「和田湯」という地元の名主の下田氏が開いた湯小屋の温泉を使用したのですが、実は現在でもその「和田湯」が「和田湯会館」として営業しています。
伊東市竹の内にある共同浴場「和田湯会館」は伊東最古の源泉として、また徳川家光に献上した湯として歴史と伝統がありますが、手頃な料金で日帰り客でも入れる共同浴場として利用できます。
七福神の湯
「伊東温泉」には「七福神の湯」と呼ばれる共同浴場があります。
恵比寿様など「七福神」にちなんだ温泉で、各共同浴場には「七福神」の像が祀られています。
恵比寿神は「恵比寿あらいの湯(新井湯)」、大黒天神は「松原温泉会館・大黒天の湯」、毘沙門天王は「毘沙門天芝の湯」、弁財天は「湯川弁天の湯」、寿老神は「和田寿老神の湯(和田湯)」、布袋尊は「岡布袋の湯」、「小川布袋の湯」、福禄寿は「鎌田福禄寿の湯(鎌田湯)」の八つの温泉です。
七福神なのに八湯となっていますが、布袋尊が2湯を兼ねています。
「七福神の湯」は全て共同浴場なので、銭湯感覚で200~500円程度の料金で利用できます。
「伊東温泉」で由緒ある「和田湯」もあるので、時間があれば「七福神の湯」巡りをしてみるのもお勧めです。
東海館

「東海館」は昭和3年(1928年)に創業した木造3階建ての温泉旅館です。
稲葉安太郎氏が創業し、昭和13年(1938)頃と昭和24年(1949年)頃に増築をしたりしましたが、平成9年(1997年)に70年の歴史に幕を閉じました。
伊東市街には当時は3階建ての建物は珍しく、3階からは伊東の町並みや天城山が良く見えたそうです。
昭和初期の建物で伊東の温泉情緒を今に伝えるものとして平成11年(1999年)に伊東市文化財に指定されており、館内を見学する事ができます。
旅館としては営業していませんが、温泉に限って土日祝日や特定日などに立ち寄り湯として利用する事ができます。
日帰り入浴・温泉
豊富な温泉資源がある伊東温泉には日帰りで入浴できる温泉も多くあります。
前述の七福神の湯、東海館に加えて、伊東マリンタウンシーサイドスパ、赤沢日帰り温泉館、リゾートセンターみのり、ホテルアンビエント伊豆高原本館、伊豆高原の湯などがあります。
七福神の湯の一つである子持湯は正式名称は湯川第一浴場で、伊東市湯川にある公衆浴場です。
伊東駅前の雑居ビルの地下にあるという珍しいロケーションで、入口には「湯の町伊東温泉大衆浴場」、「子持湯」と書かれた看板が掲げてあります。
看板傍のビルの階段を下へ降りていくと浴場と番台があって、入浴料を受付の方に支払う仕組みになっています。地下なので露天風呂はなく、男女別の内湯と家族風呂があるだけとなっています。
内風呂は3~4人入れば一杯といった小さな浴槽ですが、駅前の立地条件の良さに加えて泉質も良く料金は250円と公衆浴場としては人気があるようです。
家族風呂もかなり小さな浴槽ですが、こちらは料金は350円と破格の安さとなっています。
湯川弁天の湯、湯川第二浴場は子持湯と同じ伊東市湯川にある共同浴場です。伊東駅から徒歩約5分の路地裏にある浴場で少々道に迷いやすいですが、観光マップや看板を頼りに探す事ができます。
こちらも内湯のみの浴場ですが、子持湯よりは広めの浴槽なのでゆったりと入れそうです。
汐留の湯、湯川第三浴場は国道135号線沿いの海岸近くにありますが、伊東駅から徒歩約7分と車でも徒歩でもアクセスできます。
男女別の内風呂を備え、昔の銭湯といった趣で地元民に人気がある温泉です。
松原大黒天神の湯、松原浴場は伊東駅から徒歩約10分の住宅街の中の松原温泉会館内にあります。
駐車場はないので車の場合は近くのコインパーキング等に止めましょう。
入口前には大黒天の石像が飾られており、玄関には大黒天の絵が描かれた暖簾が架かっています。
大黒天神の湯は昔子宝に恵まれずにいた漁師が大黒天様のお告げで温泉を掘り当ててその湯に浸かった所、その後めでたく子を授かったとの言い伝えが名前の由来です。
泉質は無色透明のアルカリ性単純温泉で、男女別内湯と貸切風呂があります。
和田寿老神の湯、和田湯は伊東温泉最古の歴史を誇る伊東市竹の内にある共同浴場です。
前述の将軍献上の湯とは和田湯の事で、江戸幕府三代将軍家光に湯を船で運んで献上した歴史があります。
開湯は江戸時代より前の慶長3年(1598年)に下田氏が湯小屋を開いたのがはじまりで、長い歴史がある伊東温泉を代表する温泉です。
建物はリニューアルされて和田湯会館として、3階建ての1階部分が浴場となっています。
外壁には「江戸幕府将軍献上の湯 大名方入湯 伊東温泉最古の歴史を誇る和田の大湯」と大きく書かれています。
岡布袋の湯は伊東市岡財産区が管理運営する共同浴場です。
男女別の内湯が2つずつと貸切風呂があります。
2つの浴槽はあつ湯とぬる湯と温度差のある浴槽となっており、それぞれ4人ほどが入れる大きさです。
浴場前には布袋様の石像が祀られており、中の券売機で入浴券を購入する仕組みになっています。
鎌田福禄寿の湯、鎌田湯は伊東市の中心部から離れていますが、南伊東駅から徒歩5分の伊東市宮川町にある共同浴場です。
男女別の内湯と貸切風呂があります。昭和13年に温泉が湧出した当時の写真が掲示されています。
毘沙門天芝の湯は国道135号線波止場入口交差点を南へ入った110号線傍にある伊東市芝町の共同浴場です。
伊東市内では最大規模の共同浴場で、玖須美温泉会館の1階にあります。2階と3階は地区の集会場になっており、会館前に駐車場があります。
比較的新しく綺麗な建物ですが、元々は漁港近くの静海浴場が1999年に移転してリニューアルオープンしたものです。
浴場前にはダルマに囲まれた毘沙門天様の石像が祀られており、七福神の湯の一つであることがわかります。
浴場には男女別の内湯と5つの貸切家族風呂があります。
恵比寿あらいの湯、新井湯は国道135号線沿いの伊東漁港近くにある伊東市新井の共同浴場です。
漁業の神様である恵比寿様が祀られている浴場で、七福神の湯の一つです。


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