しもつかれは、塩引き鮭の頭、節分の福豆、大根、にんじん、油揚げなどを酒粕で煮込む栃木県の郷土料理です。粗くおろした根菜の見た目、鮭と酒粕の香り、家庭ごとに異なる味付けが特徴で、初めて食べる人には好みが分かれやすい料理でもあります。
先に要点
- 主な材料は塩鮭の頭、福豆、大根、にんじん、油揚げ、酒粕です。
- 伝統的には2月の初午に赤飯とともに稲荷神社へ供え、冷まして食べます。
- 初めてなら、冷たい状態を少量取り、温かい赤飯やご飯と合わせると試しやすくなります。
- 通年販売は限られ、道の駅などでは1〜2月を中心とした季節販売が多いため、訪問前確認が必要です。
この記事では、味が想像しにくい人向けの食べ方、公式レシピ5人分、現在確認できる購入先、日光・鬼怒川温泉と組み合わせる旅行方法まで整理します。

しもつかれとは|鮭の頭・福豆・根菜を酒粕で煮る郷土料理
農林水産省「うちの郷土料理」では、正月に食べた塩引き鮭の頭や節分の福豆などを活用する、栃木県を代表する郷土料理として紹介されています。大根とにんじんは竹製の「鬼おろし」で粗くおろし、煎り大豆、油揚げ、鮭の頭と煮て、最後に酒粕を加えるのが基本です。
栃木県央から茨城県の鬼怒川下流域では鮭の頭や酒粕を含む形が基本ですが、北関東や周辺地域には「すみつかれ」「しみつかれ」などの呼び名があり、大根と大豆だけを使う地域もあります。しもつかれを一つの固定レシピだけで説明できないのは、地域と家庭による違いが大きいためです。

「まずい」「苦手」と感じるのはなぜ?
しもつかれを苦手に感じる理由は、味だけではありません。鬼おろしで粗く削った根菜と煮崩れた鮭が混ざる見た目、酒粕と魚の香り、水分を含んだ粒のある食感が、初めての人には予想しにくいことも影響します。家庭によって酒粕、鮭、塩分、甘みの割合が違うため、一度食べた味がすべてではありません。
初めて食べるなら冷まして少量から
農林水産省「うちの郷土料理」は、冷たいしもつかれは香りが穏やかになり、温かい赤飯の塩味とも合うと紹介しています。初めてなら次の順序で試すと、味と食感を確認しやすくなります。
- 冷蔵または十分に冷ましたものを、小鉢に大さじ1〜2程度取ります。
- 最初は単体で一口食べ、酒粕と鮭の風味を確認します。
- 温かい赤飯または白いご飯と合わせ、塩味が強い場合はご飯の量を増やします。
- 苦手なら、鮭の臭みを抑えた商品や酒粕が控えめな店のものを選びます。
しもつかれは「家の数だけ味がある」といわれる料理です。最初の一品だけで判断せず、少量を食べ比べると違いが分かります。
しもつかれの由来と初午|語源・起源は複数説
しもつかれは、旧暦2月の初午に赤飯とともに稲荷神社へ供える行事食として受け継がれてきました。正月の鮭の頭と節分の豆を使うことから、冬の食材を無駄なく使い切る暮らしの知恵も表れています。近年は初午だけでなく、冬の家庭料理や学校給食、地域イベントでも作られています。
「酢むつかり」説と酒粕を使う現在の形
語源・起源には複数説があります。文化庁「100年フード」は、平安・鎌倉時代の「酢むつかり」を起源とする説と、江戸時代中期の天明年間に現在に近い形になったとする説を紹介しています。一方、下野国の家例に由来する説や、食材に味が「しみつかる」ことから名付けられたとする説もあります。確定した一説としては扱いません。
文化庁は2021年度、しもつかれを「伝統の100年フード部門」に認定しました。料理そのものに加え、近所で分け合う文化や家庭ごとの違いを認める継承の形も評価されています。
材料と作り方|農林水産省の5人分レシピ
家庭ごとの差を前提に、ここでは農林水産省が掲載する5人分の分量を基準にします。独自の推測分量は加えていません。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 大根 | 1kg |
| にんじん | 150g |
| 煎り大豆 | 40g |
| 油揚げ | 1枚 |
| 塩引き鮭の頭 | 小1個 |
| 酢 | 大さじ1 |
| 水 | 1カップ |
| 酒粕 | 50〜75g |
| しょうゆ・塩 | 適量 |
| 砂糖 | 好みで |

下処理と煮込み手順
- 鮭の頭をよく洗い、2cm程度に切って一度ゆでこぼし、臭みを取ります。
- 圧力鍋に鮭の頭、酢、水を入れ、中火で約20分加熱して自然に圧力を抜きます。
- 大根とにんじんを鬼おろしで粗くおろします。煎り大豆は皮を除き、油揚げは焼いて細切りにします。
- 厚手の鍋に鮭、根菜、大豆、油揚げを入れ、煮立ったら弱火で約1時間煮込みます。
- 材料が柔らかくなったら酒粕を加え、鮭の塩分を確認しながらしょうゆ、塩、好みで砂糖を加えます。
- 粗熱を取ってから冷まし、赤飯やご飯と一緒に食べます。
調理時の注意
- 鮭の頭は骨が柔らかくなるまで十分に加熱し、食べる際も硬い骨が残っていないか確認してください。
- 鮭の塩分と酒粕の種類で味が変わるため、調味料は最後に少量ずつ加えます。
- 保存期間は家庭の衛生状態で変わります。長期保存を一律に断定せず、冷蔵して早めに食べ切ってください。
給食・地域行事・100年フードとしての継承
栃木県内では学校給食や郷土料理教室でも扱われています。給食では鮭の頭をそのまま使わず、食べやすい形に調整される場合があり、家庭のしもつかれとは材料や食感が異なることがあります。
また、初午の時期には販売会や食べ比べイベントが開かれます。ただし開催日や出店内容は毎年変わるため、過去の開催情報を恒例の確定日として案内せず、主催者の最新発表を確認します。
栃木で買える・取り寄せできる3店
販売・営業時間・価格は2026年7月11日に公式サイトまたはしもつかれブランド会議の掲載情報で確認しました。季節販売、売り切れ、臨時休業があるため、訪問・注文前に店舗へ最新状況を確認してください。
| 購入先 | 提供形態・価格 | 時期・アクセス | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| かねふくストア | 店内製造のしもつかれ。個別価格は公式掲載なし | 通年/8:30〜18:30、日曜休/栃木市旭町16-3 | 当日の在庫と価格を電話確認(0282-22-1119) |
| 株式会社浜亀 | 冷凍300g・税込580円。公式LINEから2個以上で注文 | 通年製造/日光市下鉢石町955-1、日光駅から神橋方面へ約1km、駐車場あり | 送料別。店頭受取・営業時間は電話確認(0288-54-0732) |
| 道の駅ばとう | レストランばとう製。2026年は2月1日に先着50人へ小鉢提供 | 初午を中心とする季節販売/那珂川町北向田181-2 | 2026年分は終了。次回日程・価格は未発表 |
選び方|通年・通販・季節限定
- すぐ現地で買いたい:通年販売を明記しているかねふくストアへ、当日の在庫を確認してから向かいます。
- 県外から取り寄せたい:浜亀の冷凍商品は2個から注文できます。商品代に加えてクール便送料を確認します。
- 行事食として体験したい:1〜2月の初午時期に、道の駅やイベントの最新告知を確認します。
お取り寄せ・関連商品
通販では伝統的なしもつかれのほか、食べやすく調整した商品や焼き菓子もあります。購入時は内容量、冷蔵・冷凍・常温の別、鮭・大豆・酒粕などの原材料、送料を確認してください。商品名が似ていても、伝統的な煮物とアレンジ商品では味や食感が異なります。
栄養・カロリーは一律に決められない
しもつかれは大根、大豆、鮭、油揚げ、酒粕などを使いますが、家庭や商品ごとに材料比率と味付けが違います。そのため、特定のカロリーや栄養値をすべてのしもつかれに当てはめることはできません。市販品は栄養成分表示を確認してください。
「食べれば病気にならない」などの言い伝えは地域文化として紹介できますが、医学的な効果を保証するものではありません。健康効果を目的に過剰に食べるのではなく、塩分や酒粕を含むことも考慮して量を調整します。
しもつかれを目当てに旅するなら|日光・鬼怒川温泉
購入と観光を同じ地域でまとめるなら、日光市の浜亀を起点にする1泊2日が組みやすいでしょう。移動時間は列車・道路状況で変わるため、以下は余裕を持たせた目安です。
- 1日目午前:日光駅から神橋方面へ約1km移動し、浜亀で受取方法や在庫を確認します。
- 1日目昼〜午後:神橋・日光山内の社寺を2〜3時間ほど見学します。
- 1日目夕方:日光から鬼怒川方面へ40〜60分程度を見込み、鬼怒川温泉に宿泊します。
- 2日目:温泉街散策や周辺施設を2〜4時間楽しみ、帰路につきます。
冬の初午時期は積雪や路面凍結も考えられます。出発前に日光市のライブカメラで現地の天候・道路状況を確認すると安心です。
栃木の郷土料理を続けて知る
県内の食文化を比べるなら、宇都宮餃子やちたけそばもあわせて読むと、行事食・都市の名物・山の食材という違いが分かります。
まとめ
しもつかれは、正月の鮭の頭、節分の福豆、大根などを酒粕で煮て、初午に供えてきた栃木県の郷土料理です。見た目、香り、食感で好みが分かれますが、冷まして少量を赤飯やご飯と合わせると味を確かめやすくなります。購入先は通年販売、冷凍通販、初午の季節販売に分かれるため、訪問前に在庫・価格・提供日を公式情報で確認してください。
家庭ごとに違う味を理解する
しもつかれは、鮭の頭、節分の福豆、大根、にんじん、油揚げ、酒粕などを煮る料理ですが、材料の割合と味付けは家庭ごとに異なります。しょうゆを使う家、塩味を鮭だけで整える家など幅があります。
「七軒のしもつかれを食べると病気にならない」という言い伝えは、複数の家の味を分け合う習慣を表します。医学的な効能を保証する言葉ではなく、地域の交流と行事食の物語として理解します。
市販品も、酒粕の香り、鮭の量、豆の硬さ、水分量が違います。一つの商品だけで苦手と決めず、少量パックや試食を利用し、自分に合う仕上がりを探せます。
鬼おろしが生む食感
大根とにんじんは「鬼おろし」と呼ばれる目の粗い道具ですりおろします。細かな大根おろしより水分が出過ぎず、野菜の粒と繊維が残るため、煮込んだ後も独特の食感になります。
見た目が粗いことは失敗ではありません。鮭、豆、酒粕、野菜が混ざり合う外観は料理の特徴であり、なめらかなスープや煮物とは別の完成形です。
家庭で鬼おろしを使うときは、刃へ指を近づけず、安定した台で扱います。普通のおろし金を使う場合は食感と水分が変わるため、公的レシピの分量を見ながら煮汁を調整します。
酒粕の香りを食べやすくする工夫
酒粕の発酵香と鮭の香りが重なるため、初めての人には強く感じられる場合があります。鮭の下処理を丁寧にし、野菜と豆を十分に煮てから酒粕を加えると、味がまとまりやすくなります。
温かい状態では香りが立ち、冷ますと味がなじんで食べやすいと感じる人もいます。最初は小鉢に少量取り、ご飯と合わせながら温度による違いを試します。
酒粕を使う料理は加熱してもアルコールが完全にゼロになるとは限りません。子ども、妊娠中の人、運転する人、アルコールに弱い人は、材料と加熱方法を確認して判断します。
初午と稲荷社への供え物
しもつかれは旧暦二月の初午に稲荷社へ供える行事食として受け継がれてきました。正月の塩引き鮭と節分の豆を無駄なく使い、季節の節目に家の健康や豊作を願う料理です。
初午の日付は年や地域の行事によって異なります。寺社や催しを訪ねる場合は、現在の開催日、参拝方法、振る舞いの有無を主催者の公式情報で確認します。
供えた料理を家族や近所で分け合う習慣から、同じ名称でも家ごとの差が保たれました。標準レシピは理解の入口であり、地域のすべての味を一つに統一するものではありません。
購入・通販で失敗しない選び方
市販のしもつかれには冷蔵パック、冷凍品、缶詰などがあり、季節限定か通年販売かも異なります。内容量、鮭の使用部位、酒粕、豆、保存温度、開封後の期限を確認します。
初めてなら一人で大容量を買わず、小分け商品を選びます。製造者が示す味の特徴や食べ方を読み、冷たいまま、温める、ご飯へ添えるなど自分に合う方法を試します。
2026年9月時点で公式サイトに掲載される販売情報も、在庫、催事、配送条件で変わります。訪問や注文の直前に店舗・道の駅の最新案内を確認し、過去の記事の価格を保証として使いません。
保存と温め直しの注意
家庭で作ったしもつかれは大量になりやすいため、食べる分を清潔な容器へ小分けし、速やかに冷まし、冷蔵または冷凍します。鍋のまま室温へ長く置くことは避けます。
食べる分だけを取り出して十分に再加熱し、温めては戻すことを繰り返しません。市販品は発酵食品の酒粕を使っていても、表示された保存方法と期限を守ります。
鮭の骨が残る場合があるため、子どもや高齢者へ出すときは小皿で確認します。塩引き鮭、酒粕、調味料により塩分が高くなることもあり、食事制限がある人は量を調整します。
100年フードと継承活動
しもつかれは文化庁の「伝統の100年フード部門」で紹介されています。長く続く料理を固定する認定ではなく、地域の人が記録、料理教室、商品開発などを通じて次世代へつなぐ契機です。
学校給食や地域イベントでは、子どもが食べやすい味へ調整する例もあります。伝統の否定ではなく、材料と背景を残しながら入口を広げる工夫として捉えます。
旅行者も、苦手な見た目を笑いの対象にせず、作り手の説明を聞き、少量を丁寧に味わうことで継承に参加できます。日光や鬼怒川の観光だけでなく、栃木の日常食へ目を向ける機会になります。




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